勉強法(1)
効率的な勉強を継続するための工夫はいくつもあるかと思います。
そのためには逆にどういうことを避けるべきか?という問いを考えてみたいと思います。
よって、今回は無駄な勉強に焦点を当ててみます。
一応、念頭においているのは大学受験ですが、院試や資格試験に言えることも多いと思います。
勉強は効率と量のどちらが大事?
A. 効率です。
もちろん、同じ効率なら最後は量が勝負を決めます。
根性なしや継続力のない人で勉強で成功する人はほとんど見たことがありません。
天才はいないことはないですが、自分が天才かどうかは自分の今の成績で判断されてください。笑
旧帝首席の友人たちやその勉強仲間たちを見ていて
非効率な勉強をする人はほぼいません。
みんな、「効率的に勉強するにはどうすればいいか」を考えることに一定の時間を割いています。
(後でも述べますが、特に読む本の選択には時間をかける人ばかりです)
無駄な勉強は確実に存在します。
まずは無駄を排除しましょう。
いくつか例を挙げます。
先に見出しだけまとめます。
[無駄な勉強1] 過去問分析をしない。過去問から計画を立てない。
[無駄な勉強2] 点数の低い科目で勝負する。
[無駄な勉強3] 得点調整で減点される可能性の大きい科目で勝負をする。
[無駄な勉強4] 記憶の維持に労力が必要なものを先にやる。
[無駄な勉強5] 取り組む参考書の数が少なすぎる(or多すぎる)。
[無駄な勉強6] むやみに取り組む。たくさんのことをやりすぎる。
[無駄な勉強7] 必要以上のまとめノート
[無駄な勉強8] 体調管理をしない。
[無駄な勉強1] 過去問分析をしない。過去問から計画を立てない。
人間どうしてもできないことは怖いです。
特に自分の無力を知ることは嫌なことです。
そのために、過去問を解くのを「今は解けないから」とずるずる遅らせることがありますが、それは絶対にダメです。
過去問は出来る限り、早めに見ましょう。
できれば今見ましょう。解かなくて良いから。
過去問を見る際に、注意すべきポイントは以下です。
(1)試験に大きな変化は?
出題方式の変化の頻度や資格なら法改正、科目の変更等がありますよね。
大きな変化がない場合、とことん過去問をやりましょう。
変化がある場合は、どうしても予備校等に頼ること多くなると思います。
予想問題集等をゲットしましょう。
ただ、予備校のものは概して本試験と少し傾向がずれていることが多いです。
(2)配点はどうなっているか?
後で再度述べますが、配点の大きい科目と小さい科目を抑えるのは当然です。
そのうえで、たとえば英語でも文法問題はどれくらい出るか?
など、各科目の細部まで配点を確認しましょう。
(3)どういう傾向があるか?
(2)と似ていますが、
受験なら学部ごとに試験の傾向は違うのか、
歴史科目の場合、「隔年ループ」があったりします。
たとえば、世界史なら重点的に狙われるのが、欧米史⇒アジア史⇒欧米史⇒・・・などのように1年ごとに流行がループしたりですね。
それが分かってから、勉強計画を立てましょう。
たとえば英語なんかは、どの試験を受けるかで対策が全然違います。
簡単な英文を大量に読ませる試験と、難解な英文を和訳・要約させるような違い。
和文英訳、英作文、ライティングの有無。
リスニングの有無。その訛りはアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド等のどれか?全部か?
文法や単語がどれだけ単体で問われるか。センターや英検は顕著ですね。TOEICもまあまあ聞いてきます。
ともかく、どこに力をいれるかわからないと話になりません。
以下でもかぶる内容が多いですが、それだけ、過去問分析の出来が勉強の無駄に直結するからです。
[無駄な勉強2] 点数の低い科目で勝負する。
文系の場合、歴史は大体点数が低いことが多いのに、
「歴史マニア」になっちゃう人って多いですよね。
言うまでもなく、点数低い科目での勝負は無駄が多いです。
よほど自分が伸び悩むという事情でもない限り、得点の大きい科目で勝負しましょう。
英語は特に、その後もまず間違いなく必要なので、英語やりましょう英語。
ただ、英語の中での注意は英文法です。
英単語は多いに越したことはないというのが定評ですが、以前も述べましたが、大学受験の問題集(ネクステ等)は英語学習全体を見渡しても難易度高い表現が載っています(の割に熟語や語法は簡単でもあります)。
たとえば比較級は原則とは少し異なるような表現が多いと思いますが(as many as 500 people「500人もの人々」やstill more「まして」など)、それが長文が出てくることは稀です。
[無駄な勉強3] 得点調整で減点される可能性の大きい科目で勝負をする。
これも文系だと歴史系がそうですね。
物化生地あたりもそうでしょうか(もう全く覚えてない)。
それで私立を受験して、歴史科目で得点調整で大幅に減点されるケースはよくあると思います。
この辺は各校の開示している得点調整方法(開示してる場合のみ)、先輩の実際の自己採点と点数のかい離、ネットでの経験者の噂を頼りに探るしかありません。
僕の昔の経験だと、ネットでしか結局情報が手に入らず、そのネットの情報も「○○大学は世界史で10%以上減点する」という噂で「ウソだろ」と思っていたら、実際に自分が自己採点で予想した点より15%近く低かったということもありました。
特に、高得点の人ほど大きく減点されることが多い傾向にあるようです。
なので、調整される科目で勝負するのは危険でしょうね。
[無駄な勉強4] 記憶の維持に労力が必要なものを先にやる。
これは意外と大学受験では言われてないように思います。
少なくとも僕が受験生の頃には言われたことはなかったです。
暗記科目の場合、記憶を手に入れる勉強だけではなく、記憶を維持する勉強もかなり必要です。
もちろん英語などでも記憶を維持するために復習は必要ですが、暗記科目(歴史等)は顕著です。
たとえば、英単語や文法は、長文を読む中で目にすることで、思わぬ復習になることがあります。
つまり、過去問や総合演習を繰り返す中で、特別、英単語や英文法の復習をしなくても、ある程度記憶を維持できます。
一方、歴史科目は、そういう効果が非常に少なく、個別のトピックは意識的に復習しなければならないことが多いです。
もっと具体的な例をあげましょう。
たとえば、たまに高校三年生の初めや夏休みの時点で暗記科目だけでセンター試験の過去問で満点を取るような子がいます。もっといい子だと、二次や私立の難題も暗記科目だけ満点を取る人もいます。
他も満点近くとるなら当然問題ありません。素晴らしいです。
ただ、暗記科目だけしかできない人は、その知識を維持するために、同じ問題集を夏休みも秋も受験直前も何度も復習する羽目になります。放置すると、忘れるからです。特にそういう子は「僕(私)の得意科目はこれだ。これが点数下がるとまずい」と一生懸命、その科目の復習に時間をかける傾向があります。
一方、夏から勉強を始めて、高三の秋口や受験直前に目標点数を取れるようになった場合、前者に比べて、記憶の維持にかける時間が節約出来ます。
この話の延長で、英語や数学でも、出題頻度が低いものは最後の最後にやりましょう。
過去問や総合問題で記憶の定着に貢献しないなら、それはすべて復習に手間のかかるものです。
ただ、もちろん、あまりに最後に詰め込むと、詰め込みきれなくなるのでバランスが大事ですよ。
これを実行するためには、「最後にやるリスト」「最後にやるまとめ」を作成しておくことが重要です。
どれを最後にやるべきか忘れてしまったというのは悲劇です。
[無駄な勉強5] 取り組む参考書の数が少なすぎる(or多すぎる)。
良い参考書を選ぶことも重要です。
その中で自分に合うもの、自分の点数を伸ばせるものを選びましょう。
一方で、こういうことを追求しすぎ、本の「中身」の暗記や理解ではなく、「参考書マニア」になる人も一定数いるそうです。
ただし、自分の周りの経験では
参考書に無頓着で失敗する人の数>参考書に固執して失敗する人の数
でした。
特に、大学以上でも勉強で結果を残している人たち(上記の首席や科目トップを取る人たち)は、
本に糸目をつけない人が多いです。
「蔵書に学力が比例する」と言って過言でないほどです。
このようなブログ、Amazonのレビュー、その他掲示板や先輩、頼りになる先生から良い本を聞きましょう。予備校は自分の宣伝ばかりするので、その宣伝を割り引いて考えましょう。笑
僕の経験上、高校の先生は大してあてにならないことが多いです。特に公立高校だと合格実績と自分の進退は関係しませんし、そもそも教員は忙しいです。生徒が来る前に出勤し、顧問を持つ場合、部活が終わってからの帰宅でしょう。そら、時間ないでしょうと思います。友人が教員をするようになった今ならそう思います。授業計画や試験作成、その他イベントや問題児の対応。そんな中で、「自分のクラスが受けるであろう大学の」
なので、学校の先生を頼りにできるかどうかは自分で見定めましょう。良い先生もいます。
[無駄な勉強6] むやみに取り組む。たくさんのことをやりすぎる。
勉強法として以下のような疑問をもったことがある方がいるのではないでしょうか?
(1)短期間(数日、1週間)に少数の科目に集中すべきか?
(2)短期間(数日、1週間)にたくさんの科目を勉強すべきか?
僕の経験から言うと、学力に自信がないとき、まだその分野のことが全く分からないときは(1)を、テスト直前やそれなりに学力がついた後は(2)をおすすめします。
なぜか?
まだ学力が低いときに一番やっちゃいけない失敗は、一日に何時間も勉強して、さて寝るときにベッドで復習するしましょう。そして、
「今日何勉強したっけ?何も思い出せない・・・。」
これが一番最悪。
ウソのようで、本当によくあります!
これを避けるために、ともかく、最初は同じことに集中しましょう。
少しでも頭に残すのです。
そして、それなりに勉強をして、自分にどういう勉強が必要か、どういう勉強を今日行って、今後どうすべきかわかってきたら少しずつ科目数を増やしましょう。
個人的に、過去問演習等を除いて、一日2科目、多くても3科目が限界だと思います。
高三の夏休みまでは3日間ずっと同じ科目や1週間同じ科目をやるという勉強法もよいと思います。
[無駄な勉強7] 必要以上のまとめノート
先に重要なので述べておきますが、「まとめノート」の作成それ自体は僕は原則大賛成です。
ただ、それはある程度学力があるものに限ります。
たとえば、知識がゼロに近いもののまとめノートを作るのは無駄です。
単語帳を自己流で作ろう、歴史のまとめノートを一から最後まで全部作るのも無駄です。
あまりにも作業量が多すぎます。
まとめノートは、一つの基準として8割以上取れるようになった際に、間違えたものだけ集めるようにしましょう。
作業してる時間は、あまり頭を動かさなくなるのが多くの人の常です。
僕の経験だと、30分以上似た作業(まとめノート、単語帳作り)を続けると頭が動かなくなります。
黙読でも、音読でも、読まずに頭の中で反芻でも、頭は動いてますし記憶にも残ります。
あくまで書くのは思考の補助です。
頭さえ使えばやり方は何でも良いのです。
それでだめなときに体で覚えるのです。
もちろん、苦手で覚えられないものを覚えるために、同じものを何度も書くというのも一つの方法です。
ともかく、頭を使って、次に手で覚えましょう。
もちろん記憶術として、色んな物を試すのも悪くないと思います。
このブログは参考になると思います。
それと、忘却曲線も頭に入れておいて損はありません。
ただ、理論通りのタイミングに復習するのは不可能なので、必要以上に几帳面に気にする必要もないと思います。
[無駄な勉強8] 体調管理をしない。
スポーツをしていた人なら、パフォーマンスにばらつきがあるのは経験済みだと思います。
勉強も同じですよ。
頭が回る日、回らない日はあります。
(原因1)睡眠が良くない。
言わずもがなです。
(原因2)食事が良くない。
栄養は当然バランスよくとりましょう。あと三食取りましょう。
問題はお菓子です。
「甘いものが頭に良い」とよく言われますが、現代人で栄養不足の可能性は低いです。
無駄です。
特に、「甘いものが頭に良い」を言い訳に糖分を摂取しすぎると、肥満と集中力低下の原因になります。
(孫引きで申し訳ないのですが、このブログ
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=270651で、
藤田(2012)『脳はバカ、腸は賢い』が参照されています)
食べ過ぎも眠くなるので気を付けてください。
(原因3)体調がよくない。
当然、風邪、インフルエンザといった病気だけでなく、男女別の問題も管理しましょう。
不可避な問題が予見できるなら、その日は作業日として作業(まとめノート等の管理や計画見直し、過去問の再検討、教材さがし)のみに集中したり、比較的負担の軽い復習に専念しましょう。
さて、いろいろ書いたので最後にもう一度見出しを書いておきます。
[無駄な勉強1] 過去問分析をしない。過去問から計画を立てない。
[無駄な勉強2] 点数の低い科目で勝負する。
[無駄な勉強3] 得点調整で減点される可能性の大きい科目で勝負をする。
[無駄な勉強4] 記憶の維持に労力が必要なものを先にやる。
[無駄な勉強5] 取り組む参考書の数が少なすぎる(or多すぎる)。
[無駄な勉強6] むやみに取り組む。たくさんのことをやりすぎる。
[無駄な勉強7] 必要以上のまとめノート
[無駄な勉強8] 体調管理をしない。
多いですね。苦笑
出来ること、納得できること、やりたいと思ったことから改善していくだけでぐっと良くなると思いますよ!